< 臨床成績の一例 >

海外の一流医学雑誌の臨床成績をもとに治療を組み立てております。その主要論文(N Eng J Med、2015からの引用改変。)の要約を、お読みになりたい方は、このWeb画面の最下段をご覧下さい。体重が減る確率、痩せる確率は10人中9人の高確率です。

GLP1注射の高用量投与で

体重は1年間で-9.2%減りました。

他にも、痩せる事によって、次々と新事実が解ってきています。

1.3年間の観察において、10%以上の体重減少を維持できた患者さんは25%。

2.肥満患者あるいは糖尿病予備軍の患者においては、69%が正常な血糖コントロールに戻っていました。

3.2型糖尿病になる危険率を−80%も減少させていました。

GLP1注射:サクセンダを用いた体重管理を目的とした、ランダマイズコントロール試験(RCT)

The New England Journal of Medicine, July 2: 2015より翻訳引用、部分改変

 

序文

 

肥満は、他に重篤な結果に繋がる慢性疾患です。 しかし、減量,痩せる事は生活習慣への介入だけでは維持できにくいという 問題点があります。GLP1受容体作動薬、はある一定用量の皮下注射によって、体重減少、痩せをもたらすメリットがあることが知られてきた薬剤です。

 

方法:

 

2型糖尿病をもっておらず、BMI(Body mass index)が少なくとも30以上か、あるいは、BMIが27であって、高脂血症か高血圧に対して治療を受けていても、受けていなくてもよいという条件をもつ3231名の患者さんに対して、56週間、盲検試験を受けてもらいました。 ランダマイズ化は、実薬群が2,プラセボ群が1,の割合に割り付けた。

 

その結果、GLP1注射をうける実薬群は2487名の患者、プラセボ群は1244名の患者に、ランダムに割り付けを行いました。両群とも、生活習慣を改善する事においては、生活習慣改善のためのカウンセリングをうけることとしました。 プライマリーエンドポイントは、体重の変化と、当初の体重からみて最低5%の体重減少をなしえた比率と10%の体重減少をなしえた比率を調査することとしました。

 

結果:

 

RCTを始める前においては(baseline)では、患者の年齢は45±12歳、平均体重は106±21.4kg, そして、平均BMIは、38.3±6.4であった。78.5%が女性で、61.2%が糖尿病発症前の状態(いわゆる境界型糖尿病)だった。 56週間後、実薬群は8.4±7.3kgの平均体重が減少していた。

5%以上の体重減少ができたのは、実薬群では63.2%であり、プラセボ群では27.1%であったので有意差があった。

10%以上の体重減少を実現しえたのは、実薬群で33.1%、プラセボ群では、10.6%でした。

最も頻繁に報告された副作用は軽度あるいは中程度の悪心や下痢でした。重篤なイベントが起こったのは、実薬群では、6.2%、プラセボ群では5%でした。

 

結論

 

この臨床研究においては、食事療法と運動療法をみっちり行っている患者さんに、さらなる追加療法として、高用量GLP1注射を追加した研究であります。その結果、体重減少は明らかに認められ、さらに関連するメタボ関係のコントロールにおいても成功しました。

解説、コメント

GLP1ダイエットが世界で始まるようになったのは、この論文発表がきっかけです。

最初は、食事療法と運動療法をみっちり行っている、糖尿病発症前の患者さんを対象としている試験でした。ですから、以下の点で、ご注意ください。

1.「食事は自然に制限される健康なダイエットだから運動は気にしなくていい」、

  と指導している一部の医師の指導は誤りです。

2.糖尿病があるか、糖尿病がないか、は初診の時、対面で医師が確認し

  指導を分ける必要があります。糖尿病患者では効果が少ない点も要注意です。