水を飲んでも太ることがある?

「 まちがいだらけのダイエット」の 連載

 

週刊誌などで、肥満を脂肪太り、水太り、固太りなどと分けたものを時々見かけます。水太りなどと聞くと、いかにも水分を摂り過ぎて太っているように聞こえます。

 

まちがい・水では肥満にならない。

 

普通の人の場合、体重の七割近くを水分が占めていますから、水分摂取の多い少ないによって体重が変わるといういい方は、一見、説得力がありそうです。しかし、人の体には「恒常性」といって、体の状態をできるだけ一定に保つ装置があります。

 

例えば、日本の夏と冬の気温はかなり変化しますが、その影響を受けて体温が変動することはなく、常に36度前後を保っています。これが体温の恒常性です。体の構成成分も、外部から摂取するものの多少によって簡単に左右されたりせず、一定の割合を保っています。

 

つまり、水分も腎臓で尿として排泄する量を調節したり、汗になって出ていったりして、体内には常に一定の量しか貯蔵されません。また、すでにお話ししたとおり、「肥満」とは正しくは体脂肪が多い状態のことですから、たとえ水分が多くなって体重が増えたとしても、これは「肥満」とはいいません。

 

特殊な状態では、体重が増えることはありうる。

 

水分を摂り過ぎることによって体重が増えてくるのは「むくみ」という現象で、体内の水分調節に異常をきたしていることの現れです。一時的なむくみは、次のような場合に起こってきます。
・ジュースやウーロン茶、ビールなどを飲み過ぎたとき
短時間に多くの水分を摂り過ぎると水分調節が追いつかずに、一時的に体の水分が過剰状態になります。
・塩分を過剰に摂り過ぎた場合
体が濃すぎる塩分濃度を薄めるために水を必要とし、水分を体内に抱え込んでしまって、むくみが起こります。こうした一時的なものを別にすれば、むくみは腎臓病、心不全、肝硬変などの病気による水分調節の以上で起こってきます。水を少し飲んでも体重が増えるということは、このような特殊な状態でのみ起こる可能性があります。

 

出典 まちがいだらけのダイエット
鈴木吉彦 著 (株) 保健同人社 発行