栄養素としてのビタミン -ビタミンの生理作用-
「 完璧活用 ビタミン BOOK 」の 連載
ビタミンの働きは、二つあります。一つは生理作用、もう一つは薬理作用です。
まずビタミンの生理作用ですが、これは必要な栄養素としての役割のことです。ビタミン不足で病気にかからないため、また人間の生命を維持するための基本的な働きです。
この働きの説明によく使われるのが、「ビタミンは機械の潤滑油である」というたとえ。体が機械、栄養素が原料とすれば、機械が製品を作り続ける(つまり、生命を保ち続ける)際に、機械を長持ちさせ故障を防ぐために常に必要なのが潤滑油、つまりビタミンというわけです。
具体的には、現在、補酵素としての働きとホルモンに似た働きが考えられています。補酵素としての働きとはどのようなものでしょうか。
私たちが食物を食べ、それらの成分を分解し、エネルギーに変えて運動に使ったり、血や肉や体内組織を形作る細胞を構成する物質を合成したりすることを代謝といいます。
この代謝をなめらかに進めるのに必要なのが酵素です。そして、それを助けるのが、補酵素です。ビタミンは、この補酵素の役割を果たすのです。
この補酵素としての働きをする代表選手がビタミンB群です。
ホルモンのような働きについての説明は、専門的になるので、ここでは割愛しますが、ビタミンDにその働きが見られるとだけ申し上げておきましょう。
出典 完璧活用 ビタミン BOOK
鈴木吉彦 著 (株) 主婦の友社 発行
